口臭治療
口臭は本人が気づきにくく、周囲にも相談しづらいため、一人で悩みを抱えている方が多いです。
原因は口の中の汚れだけでなく、歯周病や舌苔(ぜったい)、唾液の減少、さらには全身的な要素が絡む場合もあります。
当院では口臭の悩みに真摯に向き合い、口腔内カメラやサリバテストキットなどを用いて、根本的な原因を特定しながら総合的な治療を行っています。
口臭が起こる原因
1. 歯周病や虫歯
歯ぐきの炎症が進行した歯周病は、歯周ポケット内に大量の細菌が繁殖しやすく、硫黄成分を含んだガスを発生させることがあります。
また、深い虫歯があると食べカスや細菌が停滞し、口臭を引き起こす可能性が高まります。
2. 舌苔と口腔内の汚れ
舌の表面に付着する白っぽい苔のような汚れが舌苔(ぜったい)です。
この舌苔は細菌の温床になりやすく、口臭の大きな要因になりえます。
磨き残しによる歯垢やプラークも、独特のにおいを放つ細菌を増やします。
3. 唾液の減少
唾液には口の中を洗い流す作用があるため、唾液量が減ると細菌が増殖しやすくなります。
緊張やストレスで唾液が減少する方や、加齢で唾液腺の働きが低下する方は要注意です。
4. 全身的な要因
胃腸の不調や鼻・喉の疾患、糖尿病や肝臓・腎臓の問題が口臭の原因となる場合もあります。
口腔内に原因がない場合には、必要に応じて医科との連携を行うこともあります。
当院の取り組み
1. 口腔内カメラによる可視化

まずは口腔内カメラを使い、舌苔や歯周ポケットの状態をモニターに映し出します。
患者様自身の目で問題箇所を確認していただき、治療の必要性やケアの方針をわかりやすく説明しています。
2. サリバテストキットで唾液分析

唾液が持つ自浄作用や細菌数を評価するために、サリバテストキットを使用しています。
唾液量やpH、緩衝能などを分析し、虫歯や歯周病のリスク、口臭発生のリスクを数値化します。
この結果をもとに、ブラッシングや保湿剤の使用など、一人ひとりに合ったケアを提案しています。
3. 超音波スケーラーとエアフロー装置

歯石や歯面のバイオフィルムを取り除くために、ウルトラソニックスケーラーやエアフロー装置を活用します。
歯周ポケットの奥に潜む歯石を超音波で砕き、エアフローで表面の汚れや舌苔をやさしく吹き飛ばします。
痛みや不快感が少ない方法で、短時間に大量の汚れを除去できるのが特長です。
口臭治療の流れ

1. 問診・カウンセリング
口臭の種類や発生状況、いつから気になるのかなどを詳しく伺います。
生活習慣やストレスの有無、食事内容なども確認し、原因を多角的に探ります。
2. 検査と唾液分析
口腔内カメラで舌苔や歯周状態を確認し、必要に応じてサリバテストキットで唾液を分析します。
虫歯や歯周病の検査も同時に行い、口の中の環境を総合的に把握します。
3. クリーニングと除去
超音波スケーラーで歯石を除去した後、エアフロー装置を使い、歯面や舌表面に付着したバイオフィルムや着色を徹底的に取り除きます。
舌磨き指導やブラッシング指導を通じて、日常生活でのセルフケアの質を高めます。
4. 治療プランの説明
検査結果に基づき、口臭の主要因を特定し、適切な処置を提案します。
歯周病が原因と判明した場合は歯周病治療を、唾液量の低下が顕著な場合は保湿剤やガムの利用を推奨するなど、一人ひとり異なる対策を行います。
5. 継続ケアと定期検診
口臭は対症療法だけでなく、継続的なケアが重要です。
定期的に来院していただき、歯周ポケットの状態や唾液量をチェックしながら口臭が再発しないようサポートします。
予防のポイント
1. 舌の清掃
強く磨きすぎると舌の粘膜を傷つけるため、舌ブラシなど適切な器具を使い、表面をやさしくこすります。
2. 十分な水分摂取
特に水分を控えがちな方や、長時間会話を続ける方は、意識して水分補給を行いましょう。
3. 食後の口腔ケア
デンタルフロスや歯間ブラシを使い、歯と歯の間の汚れも落とすことが大切です。
よくある質問
Q. 口臭が他の病気に関係することはあるか
口腔内に原因が見当たらない場合は、必要に応じて医科と連携を取り、全身的な疾患を調べることが大切です。
Q. 口臭治療はどのくらいの回数で良くなるか
ただし再発防止のためには、定期的なメンテナンスと日常のケアが欠かせません。

口臭を改善して快適な毎日を
口臭はデリケートな問題ですが、適切な診断と対策を行えば大きく改善できる可能性があります。
当院では口腔内カメラやサリバテストキット、エアフロー装置などを活用し、原因究明からケア指導まで一貫したサポートを行っています。
日常生活でもちょっとした習慣を変えるだけで、においが軽減することが多いです。
周囲に気を遣い、思うように話せなかったり笑えなかったりするストレスを解消するためにも、気になる方はぜひ一度ご相談ください。