小児歯科
小児歯科は、お子様の乳歯から永久歯への移行期までを視野に入れた診療分野です。
歯が生え始めたばかりの乳児から幼稚園、小学校と成長段階に応じて、お口の中の状態が刻々と変わります。
お子様が小さい頃に感じた歯科医院への恐怖や痛みの記憶は、大きくなってからも通院を避ける原因になりやすいです。
そのため、痛みをできるだけ抑えたり、怖さを和らげる工夫を行いながら、お子様が安心して受診できる環境づくりを心がけています。
乳歯と永久歯の大切さ
乳歯が果たす重要な役割
乳歯は永久歯が生えてくるまでの仮の歯と思われがちですが、実はとても重要です。
食べ物をかみ砕くだけでなく、あごの発育や言葉の発音などにも深く関わっています。
健康な乳歯がそろっていると、子どもが食事を楽しみやすくなり、栄養をしっかりと摂ることができます。
また、適切に乳歯が並ぶことで、永久歯が正しい位置に生えやすくなるメリットがあります。
永久歯へのつながり
乳歯が虫歯で早く抜けてしまうと、隣の歯が移動して永久歯の生えるスペースを奪い、歯並びの乱れにつながりやすいです。
歯並びが乱れるとブラッシングしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
子どもの頃からお口のケアを丁寧に行い、定期的な検診で状態をチェックすることが、将来の歯の健康を守る基本だと考えています。
お子様にやさしい歯科医院づくり
落ち着ける雰囲気
当院では、怖がりやすいお子様でもリラックスできるよう、院内の空間やスタッフの接し方に気を配っています。
歯科医院特有の薬品や消毒のにおい、機械的な音をできるだけ緩和し、BGMやアロマの活用などで和やかな環境を演出しています。
親御様と一緒に診療室に入り、そばで声をかけられるよう配慮することも多いです。
やさしい声かけと説明
お子様は何をされるかわからないと余計に怖がります。
そこで、器具を見せながら「これで歯をきれいにするよ」「虫さんをやっつけるね」といったやさしい言葉で説明し、理解を深められるように努めます。
親御様にも治療内容を簡単にお伝えし、状況に応じて抱っこや手をつないだまま治療を進める場合があります。
小児歯科で行う治療とケア
虫歯予防指導
お子様が自分で上手に歯磨きするのは、意外と難しいです。
小さなうちは親御様の仕上げ磨きが欠かせないため、正しいブラッシング方法をお伝えしています。
歯ブラシの当て方や磨き残しが多い場所など、個々の癖を踏まえて指導します。
お子様に合った歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどの道具の選び方もサポートします。
フッ化物塗布
フッ化物を歯の表面に塗布すると、歯の再石灰化を助け、虫歯の進行を抑えられます。
お子様は大人より歯質が柔らかく虫歯になりやすいため、定期的なフッ化物塗布が効果的です。
当院ではフッ化物塗布トレイを活用し、短時間で塗布が完了するよう工夫しています。
シーラント
奥歯の溝が深い部分にシーラントという樹脂を流し込み、虫歯を予防する方法です。
特に6歳臼歯など生えて間もない永久歯は、溝の形が複雑で汚れが溜まりやすいです。
シーラントで溝を埋めるとブラッシングがしやすくなり、虫歯リスクを下げられます。
痛みもほとんどなく、スピーディーに処置できるのが特徴です。
虫歯の治療
万一、虫歯ができてしまった場合は進行度に応じた治療を行います。
小さいうちは歯が柔らかく、虫歯が進むのも早い傾向があります。
早期発見・早期治療が重要なため、定期的に診察を受けることがおすすめです。
極力痛みを抑えるよう、表面麻酔や超音波器具などを用いて、お子様に負担をかけない治療を心がけています。
当院で活躍する機材
デジタルX線システム（低線量）
乳歯や生え始めの永久歯の状態を確認するときに役立ち、目に見えない部分の虫歯や骨の状態を把握する手段として活用しています。
フッ化物塗布トレイ
一定時間、歯にフッ化物を接触させることで、歯質を強化し、虫歯を予防します。
塗布中の味や刺激をなるべく抑え、苦手意識を持ちにくくしています。
パルプテスター
早期に神経の状態を把握し、最善の治療方針を立てるために活用します。
シーラント材料
お子様が嫌がりにくいよう、短時間で固まるタイプのものを選んでいます。
噛み合わせのバランスを損なわないように調整しながら処置を行います。
お子様と親御様へのサポート
親子で通いやすい環境
小さなお子様でも、待ち時間に退屈しないよう、絵本やおもちゃのコーナーを設けている場合があります。
診療スケジュールもなるべくお子様の生活リズムに合わせ、学校や塾の予定を踏まえた予約調整を行っています。
定期検診とメインテナンス
当院では3〜6か月ごとにチェックを行い、フッ化物塗布やクリーニングを欠かさず実施することを推奨しています。
予防的なケアをこまめにすることで、お子様がおとなになってからも健全な歯を維持しやすくなります。
食生活の指導
おやつを与えるタイミングや量、歯に優しい食材の選び方など、日常生活の中でできる工夫をアドバイスします。
子どもが楽しみながら食事をしつつ、歯にもやさしいバランスがとれるよう親御様と一緒に考えます。
予防意識を育む大切さ
お口の健康が全身に及ぼす影響
お口は体の入り口といわれるように、健康な歯と歯ぐきがあると食事をしっかり楽しみ、栄養を吸収しやすくなります。
また、歯周病菌などが全身に影響を及ぼす可能性もあるため、小さい頃から衛生観念を育むことは大切です。
歯科医院を「怖い場所」にしない工夫
痛みを抑えるだけでなく、歯医者さんに行くと歯がきれいになり、褒められるというポジティブなイメージをつけるよう心がけています。
スタッフが優しく声をかけ、がんばったお子様にはシールやカードなどで達成感を味わってもらう取り組みをすることもあります。
一緒に育むお子様の歯の未来
子どもの頃に染みついたケアの習慣は、大人になってからの歯の健康に直結します。
Refino Dental Clinicでは、お子様自身が「どうして歯を磨くの？」「どうして虫歯はダメなの？」と疑問を抱き、その答えを学びながらケアを続ける力を育てたいと考えています。
お子様と二人三脚でゴールを目指すような気持ちを持ちながら、親御様もサポートに加わっていただくことで、歯科医院が家族みんなの歯を守る「ホームドクター」の役割を果たせるようになります。
お子様の歯について少しでも心配や疑問がある方は、遠慮なくご相談ください。
「小さいうちから正しいケアをしておけばよかった」と大人になって後悔する前に、楽しく予防や治療に取り組む習慣を身につけていきましょう。
